両建ては、多くのFXトレーダーが取り入れているトレード手法の1つですが、FXを始めたばかりの方は「聞いたことはあるけれど実際にはどんなものかよくわからない」「名前ぐらいは知っているけど、まだやったことがない」という方も少なくないでしょう。
そこで今回は、両建てとは何か?という基礎的な概念を解説するとともに、FXトレードにおける「両建ての手法」の中でもオススメの方法を2種類見ていきたいと思います。両建てをマスターすれば必ず勝率が上がるとは言い切れませんが、FXをやるならぜひとも知っておきたい手法を厳選しましたので、最後まで要チェックです!
目次
両建てとは何か?
では早速、両建ての説明からスタートしていきましょう。
そもそも両建てとは、買い(ロング)ポジション、売り(ショート)ポジションの両方を保有することを指す言葉です。両建てのメリットは、レートがどう変化しても、片方のポジションの損失をもう一方の利益でカバーできる点になります。しかしながら、利益が減ってしまう可能性もあるため、FX初心者からは「使い方がよく分からない」「使うタイミングが難しい」と言われるケースも少なくありません。
実際、「何の工夫もせずに両建てをしたとしても、トレード上ほとんど意味がない」ことは、覚えておいたほうが良いでしょう。両建てを効果的に使うのであれば、他の作戦を組み合わせて戦略を立てることが重要になります。
両建てのオススメ手法2選
両建てについて理解が深まったところで、ここからは両建てのオススメ手法を2つ解説していきます。
両建てのオススメ手法は、ズバリ
- 両建てナンピン
- スワップポイントさや取り
の2つ。いずれも、単体で使うのではなく、「両建て」を他の作戦と組み合わせた必勝法となっている点が特徴です。
詳しくチェックしていきましょう!
両建てナンピン
まずは、やや複雑な手順を踏む「両建てナンピン」から解説していきます。
両建てナンピンのやり方は、以下の通りです。
- 100円でロングポジションを保有
- 99円に下がったタイミングで、「99円のショートポジション」を保有
- 2と同時に「99円のロングポジション」を保有
- 98円に下がったタイミングで、「98円のショートポジション」と「98円のロングポジション」を保有
- 97円に下がったタイミングで、「97円のショートポジション」と「97円のロングポジション」を保有
- z円に下がったタイミングで、「z円のショートポジション」と「z円のロングポジション」を保有
※2~3番は純粋な両建てであり、ナンピンの手法は3番からとなります。
このケースでは、100円のロングポジションだけは相殺されませんが、じっと待っていると「トータルでプラスになるタイミング」が来ます。そのタイミングで決済すれば利益を出すことができます。手順は複雑ですが、やっていること自体は実にシンプルなので、オススメな手法の1つです。
ただし、両建てナンピン手法にはデメリットもありますので、併せてチェックしておきましょう。
●デメリット:手順が多い
上記の例を見ても分かるように、両建てナンピン手法では同時に大量のポジションを持たなければなりません。やっていることはシンプルですが、管理がかなりややこしいため、ミスをしてしまうリスクが上がってしまうのはデメリットと言えるでしょう。手順が多くて煩わしいので、FX初心者の中には難易度が高いと思う方もいるかもしれません。
●デメリット:レンジ相場以外では使えない
この両建てナンピン手法は、一方的に上がり下がりを続けると、最初に取ったポジションがロスカットされやすくなるという特徴があります。よって、細かな上下が連続するレンジ相場でないと両建てナンピン手法はかなり使うのが難しいということを覚えておきましょう。
スワップポイントさや取り
続いて、スワップポイントさや取りという手法を見ていきましょう。
この手法の手順は以下の通りです。
- スワップポイントさや取りが可能な通貨ペアを探す
- 同じ価格および同じ量で両建てを行う
- スワップポイントを稼ぎ続ける
- スワップポイントを確認する
- スプレッドが狭い時かスワップポイントがマイナスになった時に決済する
両建てをすると、ロングポジションのスワップポイント+ショートポジションのスワップポイントはマイナスになってしまいます。そのため、ポジションを持っているだけで損失が発生し続けてしまう可能性が高いです。しかし、ごくまれに両方のポジションのスワップポイント合計がプラスになるケースがあります。そういったケースでは、ポジションを持っているだけで利益が発生し続けます。このように利益を出すことを、FXでは「スワップポイントさや取り」と呼びます。
この手法のキーポイントは、「ロングポジションのスワップポイント」も「ショートポジションのスワップポイント」も両方プラスとなる通貨を探すことです。これによって、勝てるかどうかが決まると言っても過言ではありません。また、スワップポイントは常に変化するので毎回チェックすることも忘れないでおきましょう。
このスワップポイントさや取りの手法に関しても、デメリットが存在しますので確認しておきましょう。
●デメリット:利益がそれほど出ない
当然ながら、レバレッジをかければスワップポイントも上がります。ただし、スワップポイント自体はわずかなものなので、この手法で大儲けを狙うのはかなり厳しいと言えるでしょう。
●デメリット:稼ぎたいなら、あえてこの手法を選択する理由があまりない
もし、FXトレードをする目的が「大金を稼ぐこと」であるならば、微々たる利益しか出ない「スワップポイントさや取り」の手法は不向きです。おそらく普通に取引をしたほうが勝てる可能性が高いでしょう。トレードをやるにあたって「両建ての手法を学んでみたい」「両建てで稼ぐことにチャレンジしてみたい」などの目的がある場合を除き、短期間でもっと多くの金額を稼ぎたいと思うのであれば、普通にハイレバレッジを利用したFXトレードに力を入れたほうが良いでしょう。
そもそも両建てが出来ないFX業者もあるので要注意!
これらの2つの手法を見て、「実際にやってみようかな」と思った方は多いのではないでしょうか。しかしFX業界では、そもそも両建てを禁止しているブローカーもかなり存在しています。そのため、両建て手法を活用したトレードにチャレンジするのであれば、「両建てを認めているブローカーかどうか?」を事前にチェックしておきましょう。規約を破ると、口座凍結や取引停止などのペナルティを受ける可能性もありますので注意しておきたいところです。
まとめ
今回は、FXの両建ての仕組みについて解説するとともに、両建てのオススメ手法を2つご紹介しました。
もし初心者トレーダーがコツコツ利益を積み上げていくならば、「スワップポイントさや取り」の手法がオススメ!ただし、スワップポイントでは大した利益は得られませんので、短期間で大金を稼いでみたい!という人には不向きです。逆に、無理せずにコツコツ稼ぎたいというトレーダーには最適な手法となっています。まずは自分のトレードスタイルをよく見極めてから、どの手法を採用するのか決めると良いでしょう。