これからFXを始めようと思っている方はもちろんのこと、すでにFXを始めている方の中にも、日本の投資人口はどれくらいなのか気になっているという人は多いことでしょう。

海外では著名な投資家が多数輩出されていますが、日本ではまだまだ「投資=悪・危険」という固定概念を持つ人も多く、あまり投資文化は根付いていません。

そこで今回は、日本にいる投資人口について解説するとともに、なぜ日本人には投資家が少ないのか、という理由についても触れていきたいと思います。

日本の投資人口はどれくらい?

では早速、日本の投資人口からチェックしていきましょう。

東証のレポートによると、日本の投資家人口は約5130万人いると言われています。なかにはこの数字を多いと感じる方もいるかもしれませんが、日本人の人口が1億2千万人だとすればその割合はかなり少なめです。

なぜ日本の投資人口は少ない?

では、なぜ日本の投資人口はこれほど少ないのでしょうか?

その理由は、日本人特有の性質と深く関係していると言って過言ではないでしょう。

なぜなら日本人は昔から、「ラクして稼ぐことは悪いことだ」「投資はギャンブルであり、危険なもの」「汗水垂らして働くことが美徳である」といった意識が強く根付いているため。投資やお金に対するイメージがあまり良くないこともあって、お金を増やすことよりも守ることに重点を置いている人が多いようです。

最近は、だんだんとその傾向も薄まりつつあり、さまざまなメディアや雑誌などで「投資信託」「株式投資」「マネーリテラシー」といった言葉が使われるようになってきました。そのため投資への抵抗が減ったという人も増えてきていますが、未だに投資系には手を出せないと考えている層がいることもまた事実です。

とはいえ、そうした考え方の人が悪いというわけではなく、投資に対してこのようなマイナスの固定概念を持つのは、ある意味「当然のこと」とも言えます。こうした人々は、生まれてからずっと「お金に対する正しい教育」を一度も受けたことがないため、「よくわからないものは怖い」「なんとなくリスクがありそう」といった考えに至るケースが多いからです。日本ではまだまだ「お金は貯めるもの」という意識が強く、お金の使い方や増やし方に対する知識、つまりマネーリテラシーが圧倒的に不足しています。

もちろん、自分でお金に関する本を読んだり、インターネット上の記事を見たりして、お金や投資に関する知識を得ることもできるでしょう。しかし、若いうちから自ら進んで投資の勉強をやる人はまだまだ少数です。さらに独学で学んだところで、「分からない点を聞ける人が身近にいない」「学んだ知識が本当に正しいか分からない」といった理由から挫折してしまう・限界に感じてしまうケースも考えられます。

一方で、海外では幼少期からお金に対する教育を学び、マネーリテラシーを養うのが一般的です。たとえば、アメリカではモノポリーという資産の増やし方が学べるゲームを取り入れた授業を積極的に取り入れているほか、イギリスではバーチャル株を購入してその動向を学習するカリキュラムを実施しています。

このように幼いころから楽しみながらお金について学ぶことは、自然とお金の扱い方や増やし方を学ぶことにもつながります。よって、日本人のように投資をむやみやたらに怖がるといったこともありません。

日本では、親世代が「投資なんて危険だ」「お金は汗水たらして稼ぐものだ」という意識が強いこともあり、子どもが学校でマネーリテラシーを学んできたとしても、古い価値観を押し付けられたまま成長してしまうケースも少なくないでしょう。しかし海外では、親世代も含めてしっかりとマネー教育を受けていますので、こうした負のループが起きることはほとんどありません。

日本と海外のマネー傾向の違い

日本人のマネー傾向が「貯金体質」であることは先述した通りです。実際、海外では預貯金をしている人の割合が、アメリカで1割・欧州で3割となっているものの、日本では5割超という結果が出ています。また投資の割合で行けば、日本が1割なのに対して、アメリカは約5割、欧州は約3割と、圧倒的な開きがあることが分かるでしょう。

こうした傾向を受け、日本政府も投資信託や積み立てNISAなどの政策を推し進めています。しかし、日本人には投資に対して大きなブロックがあるため、「始めたくても怖くて始められない」「やっぱり投資はやめておこう」という人が多いのです。

特に、マネーリテラシーが著しく低い人は、

  • 貯金することが一番安全な方法
  • 貯金があればいざというときに助かる

といった考え方に陥ってしまいがちです。

しかし、この超低金利時代に、単に銀行に預けておくだけでお金が増えるなんてことは絶対にありません。むしろ、休眠口座から維持手数料が引かれるといったマイナスが生じるリスクも考えられます。また、物価が変動し額面上は減らずとも価値自体が下落している、というケースもあります。つまり、こうしたお金の知識を知っておかない限り、手元のお金を増やすのは極めて困難なのです。

宝くじは大好きな日本人

日本人は保守的なため、よくわからない事業やビジネス、寄付などにはお金を出したがらない人が多い傾向にあります。
その割に、宝くじを買う人は非常に多く、年末ジャンボ宝くじやサマージャンボ宝くじの発売日や、大安の日などで販売カウンターに長蛇の列ができることもしばしば・・・。高額当選を夢見て宝くじを買うことも悪いことではありませんが、よくよく宝くじの当選確率を考えると、お金を捨てる行為とほぼ変わらないことがわかります。

当たる確率が著しく低いのに、「7億円」「10億円」といった大金を目にしてしまうと、還元率や当選確率を考えないまま、感情に流されて買ってしまう日本人。これもある種、マネーリテラシーの低さに起因していると言ってよいでしょう。正しい知識があれば、宝くじの確率がどれだけ低いかはすぐに理解が出来るはずですし、宝くじを買わずともお金の増やし方を論理的に考えられるはず。しかしこうした知識が無い人は、目の前の欲に駆られて、一時の感情で宝くじを購入してしまうのです。

日本人は投資家マインドを持てる?

日本人の中には、まだまだ「投資は悪」だと考えている人が多いです。しかし投資は、生活を豊かにしたり、企業が利益を生んで景気を良くしたりするもの。決して悪いものなんかではありません。

お金自身に働いてもらうためには、「投資=お金を増やすもの」「投資=幸せになるツール」だというマインドセットを作らなければなりません。もちろん、投資なので損をするリスクもありますが、貯金でもマイナス金利や銀行の倒産などで資産が減るリスクだってあるのですから、リスクの面だけで比較しても意味がありません。

投資人口を増やすためには、正しいマネー教育によって、マネーリテラシーや投資家マインドを身に付けることが重要なカギとなるでしょう。

まとめ

今回の記事では、日本に投資人口が日本にどれくらいいるのか、なぜ日本人には投資家が少ないのか、といった点を詳しく掘り下げて見ていきました。

日本には、「投資=悪」という固定概念が残っており、投資にチャレンジする人はまだそれほど多くありません。これから投資人口を増やしていくためには、幼少期からマネーリテラシーを身に付けることが重要になります。正しいマネーの知識を学んで、お金自身に働いてもらう術を身に付けたいものです。