FXトレードにおける塩漬けとは「思った通りに動かなかったポジションを決済することなく、長期にわたって持ち続けている状態」のことを言います。ただし、長期計画など立てた戦略の中、ポジションを長期間持っている場合には塩漬けとは言わないので、この点は混乱しないようにしなければなりません。塩漬けは、戦略を持たない状態でポジションを持ち続けている場合の停滞期間について言われる言葉です。
では、FXトレードで口座を塩漬けにするとどうなるのでしょうか?そこについて見ていきましょう。
目次
なぜ口座を塩漬けしてしまうのか?
これについて、ですが塩漬けを狙って行う人はいないでしょう。ほとんどの方は、好んで塩漬けしているわけではなく、しょうがなくどこかで何かきっかけがあって含み益に変わる可能性を待っているだけです。そんな状態を保持し続けているにすぎません。
塩漬けが良くない理由
実際のところ、塩漬け行為はおすすめできません。それには以下のような理由があります。
大損失が発生する可能性があるため
もし現在20万円の損失が出ているポジションを塩漬けしているとします。これがずっと1万円程度の損失で推移しているならそのまま放置していてもよいと思いますが、そんなに都合の良いといったことはあり得ません。情勢は刻一刻と変化しますので、相場が急変するなど一度でも起きてしまえば20万円が200万円の損失になってしまう場合もありうるわけです。実際に塩漬けしている間に、数百万円規模の損失が発生したFXトレーダーもいますので、安易に考えないようにしましょう。
他のポジションを持てなくなるから
口座に資金を塩漬けしていると、他のポジションが持てなくなるケースがあります。ポジションを塩漬けしているうちに、損失が増えてしまえば、証拠金維持率も低くなります。そうすると新しく持てるポジション数が減ってしまうのですね。塩漬けしているポジション数が多くなると、新しいポジションを持つことが難しくなります。塩漬けを回避して新規でポジションを持てる状態にしておくように口座管理はしっかりしておきましょう。
精神面をやられてしまうため
塩漬けをやりつづけると、精神面をやられてしまうことがあり得ます。塩漬けは損失を出しているポジションを持ち続ける行為ですから、トレードをやり続ける限り常に損失があるわけです。借金を背負いながらトレードをするというのは耐えられないという人もいることでしょう。その結果、多くの不安をかかえ精神面が不安定になることがあるわけです。その結果、冷静な判断ができなくなってしまうことがあるため注意しなければなりません。
塩漬けが染みついてしまうため
塩漬けは戦略としても決して良いものではありません。塩漬けが染みついてしまうことで悪影響を及ぼすことがあります。もちろん、塩漬けをしている最中に相場が反転し、利益に転換するケースは無きにしも非ずですが、そんな経験を一度でもしてしまうと、またそのチャンスがあるのではないか?と思ってしまい、塩漬け状態から抜けられなくなってしまいます。塩漬けはすでに失敗であることの一現象です。トレード資金をかなり失う可能性があります。よって無意味に塩漬けは行わないのがよいです。
素早くい対応ができないため
塩漬けしていると、スピーディーに対応しにくくなってきます。新しいポジションが持てない場合、当然チャンスを掴むことはできなくなります。そうならないために、新規でポジションを持てる状態をキープしておく必要があります。
どのくらいポジションを保持していたら塩漬け?
では、どのくらいポジションを保持し続けていると塩漬けに該当するのでしょう?一般的に「最初に立てた戦略通りに行かなくなった時」が正しい答えではないかと思います。たとえば、きっちり戦略を立ててポジションを6ヶ月保持していたとしましょう。この場合は戦略ですから塩漬けとは言いません。しかし、その後保持から7ヶ月目以降、立てていた戦略から大きくずれてしまったとします。そこで決裁した場合には塩漬けにはなりませんが、もし決済せずにポジションを持ち続けた場合には、塩漬けとなってしまいます。
塩漬けしてしまった場合の対処方法
では、塩漬けは結果的にどのように対処したらよいのでしょうか?ここでは3つ紹介します。
損切りを行う
当たり前ですが、塩漬けしているものを決済、すぐに損切りしてしまう方法があります。ポジションを持ち続ければ、いつかプラスに転換することがあるかもしれません。しかしながら、ほとんどの場合、プラスに転じる確率はほぼありません。よって損切り戦略を取ったほうが損失を最小限に抑えることができるので、結果として得する可能性が高くなります。
利益になるまでポジションを持ち続ける
こちらは塩漬けし続ける、という戦略となります。一度塩漬けしてしまったなら、利益になるまでずっとポジションを持ち続けるという方法を取るわけです。しかし、勝ちに転じる可能性がある場合でなければやる意味がありません。利益が出るまでポジションを持ち続けるためには、分析や戦略、忍耐が重要となります。それが無理ならポジションを決済し、新たな勝負をする方が賢い戦略です。
両建てを行う
また両建てをするのも一つの方法です。両建てとは、同じポジション数で反対側のポジションを持つこと。たとえば、買いポジションを1Lot塩漬けしていた場合だと、両建てした場合には売りポジションも1Lot保有するわけです。両建てを行うとその間はポジションが相殺され、一時的にはポジションを保有していない状況が作り出せます。その間に新規にポジションを持ち、損失をカバーするわけです。とはいえ、両建てを禁止しているFX業者も多く、自分の利用しているFX業者が両建てできるか事前に確認してからでないと取れない戦略です。
FXで負けない戦略は?
FXトレードでは、塩漬け状態にならない状態を作ることが大事です。塩漬け状態は本来なら避けられる可能性が高いため、ここでは無駄に負けない方法についてまとめました。
損切りルールを決める
FXトレードで塩漬けにならないようにするには、損切りルールを自分でしっかりと決めることです。損切りできていない状態が塩漬けですから、損切りルール自分なりに順守し続ければ、塩漬けになることはありません。
逆指値注文を行う
また、逆指値注文を行ってみることもおすすめです。新規に注文を入れる場合に、逆指値の損切り注文を同時に行うことを検討してみましょう。含み損が出れば「いつか回復するだろうと」誰しもが塩漬け状態にしておきたくなるものです。逆指値注文を行えば、塩漬けを回避ができやすくなるので考えておきましょう。
精神面を強くする
メンタルを強化することも塩漬けしない方法です。塩漬けしている状態は、かなりつらいことです。含み損が発生したら、ポジション決済を強い意志で行える鋼のメンタルを持ちましょう。塩漬けせず利確するのにはとても勇気がいりますが、塩漬けを回避することで、一時的な損が発生したとしても別のチャンスを掴めるようになります。塩漬けで悩む前に、塩漬けしないトレードを実践できれば悩むことはありません。ぜひ強い心を持ちましょう。