FXトレードでよく耳にするCFD取引とは？

2022年6月1日

FXトレードを行う際によく耳にするCFDという言葉知っていますか？CFDとは「Contract For Difference」を略した言葉で「差金決済取引」という意味です。この差金決済取引とは差額分をやりとりする取引で、利益が出たら利益分、損失が出たら損失分のみを払うこととなる取引の形です。

FXの口座開設をした際に、業者によってはこのCFD商品を取り扱っているということで耳にすることはありますが、それほど知らないという方も多いでしょう。実はこのCFD、証拠金を用いたトレードが可能ですし、FX同様レバレッジをかけられる点でFXと似たものとして扱われます(FXはCFDの1つという認識です)。

そこで、このCFD(差金決済取引)について詳しく見ていきます。

CFD(差金決済取引)の特徴とは？

通常の現物取引の場合、たとえば株価100万円の商品を1株購入したとしたら、当然100万円のお金が必要です。その後購入した100万円が110万円に値上がりした時に決済すると110万円が自分の口座に入金されることとなります(手数料等はここでは無視します)。一般的な差金決済取引ではない現物取引のイメージわかっていただけたでしょうか。

この取引をCFDで行う場合には、現物株式のやり取りをするわけではなく、売買の差額部分だけをCFDで提供しているFX業者との間で行います。この場合100万円が110万円になった際の差額10万円のみが対象となるので、この10万円に対する取引をトレーダーとCFDを提供する業者との間で行います。もちろん現物の株を購入するわけではなく、担保となる証拠金を業者に預ければ、レバレッジをかけた大きな金額でトレードを行えるのがCFDの仕組みとなります。トレードを行うのにCFDはFXと同様にレバレッジをかけることができる点がポイントです。

CFDの取り扱い商品にはどのようなものがある？

CFD取引ではさまざまな商品への投資を行うことができます。株式や為替以外に、原油や貴金属など、コモディティと呼ばれるものに投資することが可能です。たとえば、よくあるCFDの商品としては「株価指数CFD」「外国株CFD」「商品CFD」などがありますが、商品によってレバレッジが異なる点に注意が必要です。

株価指数CFD

株価指数CFDとは、一定の銘柄の株価を数値化したものを、原資産価格としてトレードをすることを言います。代表的なものに日経平均株価、ダウ平均などがあります。株価指数CFDは景気が上昇時には価格は上がり、景気が下降時には価格は下がるといった市場特性があります。

外国株CFD

外国株CFDでは、日本の証券会社で取引されていない外国銘柄がたくさんあります。米国株以外にも中国株やヨーロッパ株に投資できる外国株CFDを提供するFX業者もあります。

商品CFD

商品CFDとは、商品現物・商品先物を原資産とする商品のことを指します。たとえば、金や銀、原油などの商品先物などです。これらの商品は値動きが激しいと言われており、ハイリスクハイリターン商品となっています。初心者がうかつに手を出しにくいものとなっています。

CFD取引のメリット

ではCFD取引のメリットについて見ていきましょう。ここでは4つほど紹介します。

ハイレバレッジがかけられるので大きなトレードが可能

先ほど述べたように、CFDはレバレッジをかけることができます。そのため、現資金に対して大きなレバレッジをかけたトレードが行えます。ハイレバレッジトレードによって、海外FXの場合だと1000倍近いレバレッジをかけたトレードが実現できたりします。トレード資金が少なくても、大きな利益が狙える点はメリットとなるでしょう。

24時間取引可能(銘柄による)

日本株の場合にはトレードできる時間が決まっています。平日営業日の9:00～15:00まで、さらに11:30～12:30が休憩になっているため取引でないという制約がありますが、CFDの取引は、銘柄によって営業日のほぼ24時間取引が可能です。CFDであれば、世界中の取引所のどこかの市場が開場していることから、ほとんど24時間の取引ができるわけです。銘柄によっては取引時間が短いものがありますので注意しておきましょう。

世界各国の株価指数に対して投資可能

株式投資は当然ながら、日本やアメリカ以外でも世界中で行われているものです。日本やアメリカ以外の株式投資をすることは現実的にあまり簡単ではありません。しかしCFDを利用することにより、世界各国の株価指数CFDに投資することは可能です。たとえば、日経平均株価やNYダウ・S&P500といった馴染み深いものだけでなく、ドイツやフランスのヨーロッパ株価指数、中国や香港といったアジアの株価指数への投資も行えます。 CFDは、一般的な投資商品でお目にかかれない商品に投資が行えるのがポイントです。

配当金の受取が可能

CFDでは「買い注文」のポジションを保有している場合、条件によっては配当金が受け取れるというメリットがあります。レバレッジをかけたトレードを行った場合、レバレッジ分に対しても配当がもらえるなどメリット満載。ただし、「売り注文」の場合には、配当金相当額を支払う必要がありますので、注意しましょう。

CFD取引のデメリット

今度はCFD取引のデメリットについて、3つほど説明していきます。
CFDがあまり知られていないので情報が少ない
冒頭に述べた通り、CFDはFXに比べると認知度が低い商品です。そのため情報があまり出回っていないのが現状です。CFD取引を行うのに必要な知識は、自分探して身に付ける必要があり、手間になる点がデメリットになります。ただし、考え方によりますが、情報が出回っていないため、トレードにおけるライバルもFXに比べれば少なくなります。

ハイレバレッジ・ハイリスクの可能性が大きい

トレードにおいて、ハイレバレッジがかけられることは時にメリットですが時にリスクにもなります。急激な相場変動が起きると資金がなくなってしまうといった損失が出てしまうことが多分にあります。ハイレバレッジなトレード危険なものだという前提でレバレッジをかけるようにしましょう。ただ、海外FXのCFD取の場合、ゼロカットシステムが採用されているので、証拠金以上の損失が出ることはありません。

株式や投資信託と損益通算ができない

CFD取引においては、株式投資・投資信託用の特定口座がなく、自分の手で確定申告を行う必要があります。その場合CFD取引で得た利益は雑所得に分類され、申告分離課税によって税率は一律20.315%となり支払いが発生します。CFD取引で損失が出た場合ですが、株式・投資信託と損益通算をすることができません。CFD取引で損益通算できるのはFXや先物取引の場合に限ります。CFDは独立したものとして考えましょう。