FXトレードでは数多くのトレード手法があります。その中でも人気な手法の一つがスキャルピングです。しかしFX業者によってはスキャルピングを禁止・推奨していないところもあります。
そこで、スキャルピングを禁止している海外FX業者や、禁止している理由について見ていくことにしましょう。
目次
スキャルピングとは?
そもそも、スキャルピングとは「数秒~数分単位という超短期間で売買を繰り返していくトレード手法」のことを指します。取引時間や基幹によっていろいろ手法はあるものの、最もトレード時間が短いものはスキャルピングです。
名称 | 取引期間 | 利益幅 | ローソク足の時間軸 |
---|---|---|---|
スキャルピング | 数秒~数分 | 1 pips~10 pips | 1分足~5分足 |
デイトレード | 数分~数時間 | 10 pips~100 pips | 5分足~1時間足 |
スイングトレード | 数日~数週間 | 100 pips~500 pips | 1時間足~日足 |
長期トレード | 1か月~1年以上 | 500 pips~ | 日足~年足 |
数字に関しては大体のイメージですが、スキャルピングと他の手法と比べると、短期間売買であることがよくわかります。
スキャルピングトレードのメリット
スキャルピングトレードを行うメリットですが、1日のうちに何度もトレードを繰り返せる点でしょう。小さい利益をコツコツ何度も積み重ねていくことができるのがスキャルピングです。そのため。相場が急変した時にポジションを保有していない可能性が高い点もメリットとなります。長期で保有していると、リーマンショック・コロナショックのような世界的な相場急変が起きた際にポジション保有している可能性は高く、損失につながります。国内FX業者を利用するケースだと追証が発生するので、リスクが少ない点はスキャルピングの最大のメリットです。
スキャルピングのデメリット
しかし、スキャルピングのデメリットは、トレードを繰り返すという性質上スプレッド負担が増えてしまうことです。スキャルピングトレーダーは1日に100回以上取引を繰り返す場合も多々あるのだとか。ほんのわずかなスプレッド負担が、積み重なれば非常に大きなものになります。また、集中力が必要となることや、技術力が必要である点もデメリットになるかもしれません。
スキャルピングを禁止している理由
このようにトレード手法の一つでもあるスキャルピング。FX業者によってはスキャルピングを禁止しているところがありますが、なぜ禁止する場合があるのでしょうか。
サーバー負荷が大きいこと
スキャルピングを禁止する最大の理由は、サーバー負荷が非常に大きいことにあります。もちろん技術が進み、最近では高性能サーバーを用意しているFX業者も多いですが、沢山の人が1日に何度も注文を行うようではサーバーが耐えきれないといった問題も出てきます。その結果、スリッページが発生したり、約定力が下がったりスキャルピングをしていない他のトレーダーが被害を受けるなどの影響が見て取れるでしょう。
カバー取引に支障をきたし、FX業者が損失を被ることがある
国内のFX業者の場合、DD方式という形で、トレーダーとFX業者が1対1でやり取りを行います。しかし、売りと買いに不釣り合いが生じれば、インターバンク市場を通して釣り合いを取ろうとします。これをカバー取引と呼びますが、トレーダーがスキャルピングで大量に売買注文を行うと、このカバー取引が間に合わなく、FX業者側にて損失をかぶるはめになってしまうことが想定されます。
スキャルピングに対する海外FX業者の取り扱い
海外FX業者は国内FX業者と違い、トレーダーがインターバンク市場で直接取引を行うのが普通です。このようにFX業者が仲介役を果たす取引方法をNDD方式と言いますが、NDD方式の場合、DD方式で発生するような心配が起きないので、スキャルピングによってFX業者が被るリスクや負担がないと思われるでしょう。しかしNDD方式では約定スピードに影響を与えることがあるので注意しなければなりません。
スキャルピングを禁止している海外FX業者
海外FX業者のLAND-FXは経済指標発表時のスキャルピングを禁止としていますが、指標発表時以外の場合であれば、基本的にスキャルピングは禁止されません。しかし自動売買(EA)等、システムトレードによるスキャルピングについてはサーバー負荷がかかるため、取引停止となる場合があります。
スキャルピングOKな海外FX業者はどこか?
海外FXではスキャルピングOKな業者が数多くありますが、そのような業者は、「XM Trading」「Axiory」「TitanFX」
「FBS」「Traders trust」「GEMFOREX」などです。
海外FX業者はたくさんあるので、全部ではありませんが、公式ホームページ等の利用規約や禁止事項にスキャルピングNGとなっていなければ、裁量トレードによるスキャルピングなら問題なく行えることでしょう。
スキャルピングに対する国内FX業者の取り扱い
スキャルピングに対して国内FX業者はどのような扱いを行っているのでしょうか。
国内FX業者は前述のように、スキャルピングにはあまり向いていないDD方式がベースになります。
スキャルピングを禁止している国内FX業者
スキャルピングを禁止している国内FX業者として最も有名なのが「DMM FX」です。DMM FXは口座開設数が多くて、国内でも不動の人気を誇るFX業者となっています。DMMFXのスプレッドは最高水準の狭さにて、スキャルピングを行うには最適と思えるものの、約款の禁止事項に「短時間での注文を繰り返し行う行為」と記載されているのでNGです。
また「SBI FXトレード」も低スプレッドのFX業者として知られていますが、こちらもスキャルピング禁止となっています。契約締結前交付書に「短時間に、頻繁に行われる注文及び取引であって、他のお客様又は当社のシステムもしくはカバー取引等に著しい悪影響を及ぼすと認められる注文」と記載されているのでNGです。もしスキャルピングを行った場合には口座凍結される可能性もある点は注意しましょう。
スキャルピングOKな国内FX業者はどこか?
スキャルピング禁止を表明していないFX業者であれば、基本的にスキャルピングは行うことができます。とはいえ、スキャルピングはあまりよく思われておらず、沢山のトレードを繰り返すと警告される場合があります。よってスキャルピングOKと明言しているFX業者でのみスキャルピングトレードを行うようにしましょう。
スキャルピングOKと明言している国内FX業者は「FXプライムby GMO(選べる通貨)」「JFX(MATRIX TRADER)」「ヒロセ通商(LION FX)」といったところで、遠慮せずにスキャルピングトレード行うことができます。
まとめ
スキャルピングが禁止されている業者や、その理由について見てきましたが、FX業者によるスキャルピングに対する扱いは日々変化する可能性もあります。スキャルピングを行おうと考えているのであれば、最新の利用規約を読み大丈夫かどうかを確認するようにしてましょう。
スキャルピングは非常にサーバーへの負荷がかかる手法ですので、もし明確にスキャルピングが禁止していない業者であっても、それほど行わないというのが暗黙の了解かもしれません。