これからFXを始めてみたいと思っている方の中には、国内FXと海外FXのどちらで口座を開設しようか迷っている方も少なくないでしょう。
国内FX・海外FX共にそれぞれに良し悪しがあり、一概に判断することはできませんが、今回は税金制度の面から両者を比較し、具体的な違いについて解説していきたいと思います。
目次
海外FXの税制
でははじめに、海外FXの税金制度から見ていきましょう。
海外FXでの利益は、雑所得に分類されます。
国税庁のサイトによると、雑所得とは他の主な9種類の所得である(不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、利子所得、配当所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得)のいずれにも該当しない所得のことを指します。
具体的に挙げると、下記の項目が当てはまります。
- 公的年金等
- 非営業用貸金の利子
- 副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)
- 講演料
- 放送謝金
これらの収入は、年間で稼いだ金額を合算した数字に応じて税金がかかる「累進課税」を採用しています。そのため、年収が195万円以下であれば税率は15%になりますが、年収4,000万円以上になると税率は55%と跳ね上がってしまいます。(いずれも住民税10%を含んだ数値)
ただし、日本は「単純累進課税」ではなく、「超過累進課税方式」を適用しているため、段階的に税金が課税されています。
つまりは、年収2,300万円の人は、いきなり全体の50%の税金(1,150万)を支払うのではなく、
第2段階 135万×20%=約27万円
第3段階 365万×30%=約109万円
第4段階 205万×33%=約67万円
第5段階 900万×43%=約387万円
第6段階 500万×50%=約250万円
を計算し、合計で約869万円の支払いをしなければならないということになります。
国内FXの税制
一方で、国内FXについてですが、こちらは海外FXとは異なり、「申告分離課税方式」が採用されています。
申告分離課税方式とは、どれだけ稼いだとしても、一律で20.315%の税率しかかからない方式です。そのため、利益金額が大きくなればなるほど節税効果が期待できます。株式の譲渡で所得が生じた場合には、ほかの所得とは切り離したうえで税額が計算され、その税金は確定申告によって納税することになります。
海外FXよりもシンプルな課税方式であることが特徴であり、FXで大金を稼いでいる人たちにとっては有利な制度となります。
国内FXと海外FXの税金におけるメリット・デメリット
では、両者の基本的な税制の特徴をおさえたところで、FXにおけるメリットとデメリットを確認していきましょう。
海外FXの税金面のメリット
- 利益が年間で420万円以下であれば、国内FXに比べて税金が安い
- FX以外のアフィリエイトやバイナリーオプションといった雑収入との損益通算ができる(同年内)
海外FXの税金面のデメリット
- 利益420万円以上になると、国内FXよりも税金が高くなる(稼げば稼ぐほど不利になる)
- 赤字の繰りこしはできない
国内FXの税金面のメリット
- 稼けば稼ぐほど税金が安い
- 3年間は赤字繰り越しが出来る
- 株式などの申告分離課税対象のものに限り損益通算が出来る
国内FXにおける税金面のデメリット
- 税率が一律のため、稼げないうちは大きな負担がかかる
- アフィリエイトやバイナリーなどとは税項目が異なるため損益通算ができない
このように見ていくと、累進課税を採用している海外FXのほうが、より初心者トレーダーにはおすすめです。国内FXの場合は、大金を稼ぐようなトレーダーであればおすすめできますが、レバレッジが最大25倍しか効かないため、少額から始める初心者トレーダーには資金効率が悪くなると言えます。税制が理由で国内FXをやりたいと考えるならば、まずは海外FXでコツコツとレバレッジを効かせて黒字を出し、まとまった資金ができてから国内FXに移行するというのも一つの方法です。
迷ったら、まずは海外FXにチャレンジ!
ここまで税制についての詳細をお伝えしてきましたが、当然ながらそれぞれどちらにもメリット・デメリットがあり、「結局、国内FXと海外FXどちらから始めればいいの?」と考える人もいることでしょう。
そんな方には、海外FXがおすすめです!
海外FXでは、
- 5,000円~20,000円の口座開設ボーナス(そのままトレード資金として活用できる)
- 100~200%の入金ボーナス
- 数百~数千倍のハイレバレッジ(少ない証拠金でもダイナミックなトレードにチャレンジ可)
- ゼロカットシステム(借金のリスクを負うことがない)
などのように、充実したトレード環境と言われるところが多く、少ない元手で一攫千金を狙うことも夢ではありません。
そのため、あまり軍資金がないという方や主婦層などであっても、比較的ローリスクでチャレンジすることができます。加えて、年間420万円以下の利益に対しては、税金が20%程度で収まるため国内FXよりも安くすみます。
中には、海外のブローカーと聞くと「英語力に自信がない」「サポート体制は大丈夫なのか?」「日本語対応はしているのか?」などと不安に思われる方もいるのではないでしょうか。しかし、近年の海外FX業者の中には、24時間、日本語でのサポート対応など、日本人に向けても手厚いフォローをしてくれるブローカーも増えてきており、そういった業者を選定することで、心配することなくトレードに臨むことができます。
ですが、口座開設ボーナスや入金ボーナスといった各種ボーナスは、企業によって実施していないところもありますので注意しなければなりません。また、レバレッジについても、業者ごとにばらつきがあります。
初心者トレーダーが海外FXブローカーを選定する際には、
- ボーナスは充実しているか?
- レバレッジはいくつか?
- 日本語対応のサポートがあるか?
といった点に着目して、業者選びをすると間違いないでしょう。
最後に:FXは税金面で見ると国内FX業者が優勢!ただし稼ぎやすさにおいては海外FXに軍配!
今回は、国内FXと海外FXの異なる税制やメリット・デメリットについて詳しく解説してきました。
税制の面で見ると、420万円以上稼ぐ場合は、明らかに国内FXのほうが有利と言えます。しかし、国内FXはレバレッジが最大25倍であることやボーナスが限定されていることなどから、ダイナミックなトレードをしようと思うのであれば圧倒的に海外FXに軍配が上がるでしょう。
中には、「国内FXのほうが安全にトレードできそう」、「海外FXのブローカーのサポートには不安がある」と思う方もいるかもしれませんが、海外FXは「豪華なボーナス」、「ハイレバレッジ」、「ゼロカットシステム」など非常に魅力的なトレード環境が整っています。また、最近では日本語サポートが充実した海外FX業者も増加している傾向にあるため、安心して利用することが可能です。
稼ぐトレーダーにとっては、確かに税制の面で国内FXのほうが有利ではありますが、国内FXでは「ゼロカットシステム」がないため、相場の変動などにより損失が出てしまった場合には追証が発生し、結果的に借金を背負うリスクも生じます。こういったリスクの面を考慮しても、やはり海外FXのほうがおすすめと言えるでしょう。
税制の面で考えてどうしても国内FXでトレードをしたい、という方は、海外FXで安定した稼ぎを得られるようになってから、「節税のために国内FX業者に切り換えるかどうか」を検討してみても決して遅くはありません。